WORKS施工事例

中庭を囲む二世帯平屋の家_Ⅱ
岡山市南区
- Design 設計 /
- 斎藤真二 氏(Atelier if一級建築士事務所)
- 敷地面積
- 653.28㎡(197.62坪)
- 延床面積
- 91.71㎡(27.74坪)
- 施工面積
- 105.99㎡(32.06坪)
- C値
- 0.34 ㎠/㎡
- UA値
- 0.40 w/㎡・k
- 担当スタッフ
- 磯野 孝仁
プライバシーを確保しながらも
程よく気配を感じる絶妙な二世帯住宅
将来の介護や子育てを考えて、二世帯住宅を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ご紹介する「中庭を囲む二世帯平屋」は、中庭を中心に、お母様ご家族と息子様ご家族の2軒が向かい合う完全分離型の二世帯住宅。
お互いのプライベート空間は守りながらも、気配を程よく感じる工夫がされた住まいです。こちらでは、高齢のご両親とお母様の3人が暮らすおうちをご紹介します。

お客様を迎える、打ち合わせスペースを兼ねた玄関
息子様ご家族とともに農家を営むことから、来客が多いO様邸。客間に案内するほどではないけれど、「玄関先でちょっとした打ち合わせや事務作業ができたら」とのご希望から、玄関スペースを広く設けています。
土間には、靴を履いたまま利用できる打ち合わせスペースを。松の無垢材を使った一枚板のテーブルが、お客様を迎えます。この一枚板はO様が所有し地元で保管されていたものを、当社で製材して仕上げました。打ち合わせテーブルがあるスペースから壁を1枚挟んだ場所は、書類などが収まる書斎スペースとなっています。
また玄関付近には、来客用を兼ねるトイレもあります。一度、三和土(たたき)に上がる必要があるため、来客の視線を遮るため、LDKの手前には格子を設置。上品かつゆるやかに、プライベートスペースを目隠ししながら空間を仕切っています。

県産ヒノキを使った木のぬくもりあふれるLDK
LDKや廊下といった共用スペースに多く使ったのは、岡山県産のヒノキです。高い天井に見えるのは松の梁、さらにキッチンの腰壁や造作の背面収納も全てこだわりの造作です。さらにダイニングテーブルも、打ち合わせスペースにある松と同じくO様がお持ちだった松で造作し、木の温もりがあふれる空間に仕上がりました。
隣接する和室は、あえて扉を設けずロールスクリーンで仕切れる仕様に。普段はくつろぎのスペースとして、ときには来客用の寝室として使用できる作りです。またLDKと和室には、腰ほどの高さの窓を中庭に向けて配置しています。部屋の中で食事をしたり、作業をしたりしていても中庭からの視線は感じることがなく、でも程よく息子家族の気配が感じられる絶妙な距離感を生み出す窓です。
中庭とは反対の南面には、大きな掃き出し窓を。窓の外には縁側のようなデッキがあり、目の前には美しい田園風景が広がっています。

高齢のご家族も安心して暮らせるバリアフリー仕様
LDKを中心に、玄関やトイレに近い場所にご両親、奥にお母様の個室をそれぞれ配置しています。ご両親の個室は、おじいさま・おばあさまの衣類や私物を分けて片付けられるように2つのクローゼットを用意。

ゆっくりと読書やTVを楽しみたいお母様のお部屋には、便利なカウンターテーブルを設けました。また大きなウォークインクローゼットも備えているので、季節の家電や冬用の布団などを片付けるのにもぴったりです。

また、TOIROの建具は上吊のハイドア建具が標準仕様。そのため足元の凹凸がない、高齢のご家族にも安心のバリアフリー対応となっています。将来的には、手すりの設置なども可能です。さらにO様邸は玄関の間口を広く設けて、出入りがしやすい仕様となっています。
中庭を挟み、程よい距離感を保ちながら、三世代が心地よく暮らせる二世帯住宅です。
